2009シマノWSCT全国大会

  • 日時:2010年4月11日(日)
  • 場所:静岡県袋井市 エコパスタジアム
  • 主催:株式会社 シマノ
  • 成績:第16位
  • LinkIconシマノHP大会レポート

大会の模様

出発

4月10日(土)博多駅から、朝7時00分の新幹線に乗り、浜松経由でエコパスタジアムのある愛野駅へ向かった。新幹線の座席に着くと、前の座席に投乃助さんを発見した。投乃助さんは、大手術後を行ったばかり、術後のリハビリが順調のようで、今回は選手ではなくビデオカメラ持参でカメラマンとして参戦です。いつも投乃助さんからいただくDVDは、キャスティングフォームの研究に大変役立っております。撮影から編集・コピーと、時間のかかる大変な作業を行っていただき誠にありがとうございます。投乃助さん撮影は得意ですが、映るほうは苦手ですか(照)

浜松駅で昼食、札幌ラーメンととんこつラーメンの店が並んでいた。何故か、とんこつラーメンのカウンターの方に座っていた。静岡に来てまで「とんこつラーメン!?」・・・まあよかろう(汗)愛野駅で下車し、駅からエコパまでは徒歩、エコパはすぐそこに見えているのに、なかなたどり着かない(汗)約30分歩いたところで、やっと練習場に到着した。

前日練習

練習場ではすでに数名の選手が練習していた。選手各々が、明日に向けて最終調整に汗を流している様子だ。私も、フォームチェックと、ラインおよびスプールのチェックに取り掛かる。特にスプールは先週の拙者杯ではバッククラッシュのトラブル連発だった。大きな課題を抱えたままで本番突入ということになり心配だった。

タックル

ロッド:シマノ スピンパワー365CX
ガイド:バッドガイドT-HVSG30H+チタンハイスピンダーガイドで7点ガイド仕様
リール:シマノスーパーエアロテクニュームMG
スプール:ウィンズジュラコンスプール
力糸:サンラインスーパーキャストテーパーライン 3→8号
道糸:東レ 銀鱗2.5号
フィンガープロテクター:國手作り
ラインゲージ:テクロック SM-112
昨年のタックルと違う部分は、「KWガイドの一部使用」「テクMG」。スピンパワーのバットガイドをハイスピンダー30Hから、KWガイドの30サイズに交換した。今回はバッドガイドだけKWガイドに交換した、ガイド高のバランスをとるためKWガイドの足の部分をペンチで曲げ加工して、その高さを低くさせて取り付けた。

リールをシマノスーパーエアロテクニュームMGを選んだ。昨年はダイワのZ45だったが、テクMGのほうが以下の点で良かったので選択した。
・微妙なタラシ調整:キャスティングではタラシの長さを細かく調整する
・ベールレスによる操作性:力糸の結び目をスプールのエッジ側やスカート側にする等のライン操作が容易
・スローオシュレート:密巻きによって糸癖が付きにいため、スムーズなラインリリースが期待できる
さらに、ルールの中にラインの太さが0.25mm以上である必要がある、
私の使用している2.5号のラインは、ラインセットの時に数か所を、ラインゲージで計測を行いチェックしているが、部分的に0.25mmの太さぎりぎりの箇所がある。このため、スプールに少しでも細くなるようなダメージを与えないようにするために、ラインが綺麗に並ぶスローオシュレートのテクMGを選んだ。しかし、テクMGと高テーパースプールの組み合わせを使い慣れていないため、ライントラブルに泣かされる破目に陥る。

トレーニング

日頃、強化トレーニングや毎日素振りとか特にはやってない。身体を使わないイメージトレーニングは毎日やっていますけど(笑)昨年のエコパが終わってからただ1つだけ1年間継続できたことがある。
通勤の自転車をやめて、片道30分、往復1時間約6キロを歩くことだ。脚力アップのために試してみたが、6キロ程度の徒歩ではキャスティングに効果は無いようである。一年間続いたことの満足感と、かかとが堅くなったことが収穫でしょう。

今年のキャスティング練習場所は、昨年通った元寇道場から変更し、我が家近くの防波堤で練習を行うようにした。キャスティングしても安全な場所、地面がフラットな場所、という好条件の場所はあまりないものである。近くの公園やグランドなどいろいろ試したけど、竿を振り回していると周りの視線が気になります。竿を振り回すのは・・・やはり、海がなじむようですね。

写真の練習場所は「福岡ドーム」で、この場所はロケーションが良く、天候が良いと気持ちいい場所で、シーホークホテルや福岡タワーを標的にして投げることが出来る。海へ向かって投げる際に、何も目印のない外海に投げるより、標的を置いてキャストすると方向性を把握しやすい。この場所の欠点は、風が吹くと吹きっさらしとなり、おまけに防波堤にぶつかった波で潮をかぶってしまうことだ。とくに今年の春は寒かったのと、強風の影響で、ここに頻繁に通う事は出来なかった。

参戦エコパ

5時に起床し、軽く食事をとって出発した。ホテルから徒歩でエコパスタジアムに向かう。teamSESSYAから参戦する昌坊さんと一緒に荷物をゴロゴロ転がしてエコパを目指す。今日は朝から好天で暖かくなりそうだ。

エコパ会場に到着し、選手控室に入ると早速受付が行われた。受付と同時にゼッケン番号の抽選を行う、私のゼッケン番号は「20番」昌坊さんは「27番」。
帽子の色は黄色です。選手が集合してルール説明とスケジュール確認を行った、競技前の緊張した空気が張り詰めている。

最後の大会

今大会でシマノが主催する「ワールドスポーツ・キャスティング・トーナメント」は最後となる。また、最後の大会のルールも変更となり、従来の予選~決勝戦のトーナメント方式から、選手全員が4回の投てきを行なう総当たり戦にルール変更された。
順位は、各投てき回ごとに飛距離の順位で50点満点のポイントが与えられ、4回の投てき中で上位2投のポイント合計を競い合う。よって最大の得点は100点満点となる。これまでの絶対飛距離の1発勝負ではなく、投てき回ごとに変化する風の条件を平等化し、最後まで選手全員に勝機のチャンスを与え、1投ではなく2投合計という『実力=順位』に、より近づけたルールとなった。

試合開始

開始前のしばらくの時間、準備体操など行ったり、素振りしたり、各々がセッティングを整える。昌坊さん初参戦で気合いが入っている様子。練習時に竿が折れたり、大会数日前までリールのメンテが終わらなかったり、いろいろとトラブルがあり大変だったとのこと。九州チームで集合しお互いの健闘をたたえあう、さあ頑張りましょう!!

1投目

ゼッケン1番から順番に投入開始する、全員が投入後に計測を行うため淡々と試合は進行していく。スタートの合図から30秒で投入を行わないとファールとなる。これまでの1分間と比べると余裕が少ないのでプレッシャーがかかる。いよいよ一投目の順番が来た、一番気合いが入る瞬間だ。そして緊張する瞬間でもあり、胸のあたりがドキドキしている。昨年のことを思い出しながら、深呼吸をしてコートに入る。

正面スタンドの電光掲示板を標的として確認する。
シンカーのフリコ動作に入るが、やや身体が堅いのがわかる、
「あーっ緊張しているなー」そう思いながら思いっきりキャストする。
シンカーはやや抜け気味に右側へ飛んでいき、距離はそこそこ良いのだが右側にファールだった。
身体の後ろでシンカーの軌道が悪い、そして、投げ急いでいるようでタイミングが合っていなかった。
昨年の思いもよらぬ好成績から来るプレッシャーのせいか?勝つことに意識しすぎているようである。
緊張して身体の動きが悪くスウィングが堅い、反省!反省!
ゲームを楽しむように考えを切り替えなければ・・・

1投げ目結果
昨年のチャンプ十倉選手が101.58mという飛距離で1投目からいきなり好記録を叩き出した。十倉選手は、なんと試合前日に愛用のロッド#1が折れるという不意なトラブルがあったということだった、

急遽、予備竿の#1とつなぎ合わせ試合に間に合わせたそうだ。そんな、悪条件の中で1投目から素晴らしい結果を出すのだから“凄い”結果101.58mという飛距離は今大会最大飛距離となる記録で、1投目のトップ50点を獲得する。続いて49点を獲得したのが99.61mで小西選手だった。
参加者45名中20名がファールだった、44%がファールだったとは、エコパの1投目は、みんな緊張して何時ものように投げられないのが普通なのだ。

大舞台で己の力を発揮することは難しい、エコパで頭を抱え込む「練習では調子良いのに、本番は・・・」と良く聞く言葉である、いつものように投げることの難しさは、みんな感じていることだ。魔物に侵されたような、信じられないようなミスもこの場所エコパではあることなのだ。オリンピックで見た場面のように、トップアスリートが本番で無念にもコケル、その状況が体感できるし、評判どうりに成果を出せる、その凄さも理解できる。

2投目

大会一週間前の大きな課題だったスプールのバッククラッシュトラブルもなんとか落ち着いたようだ。スプールに3M社のスプレーのり77番を極薄ぅーくかけて摩擦を大きくした。もちろん大事なスプールエッジ部分はマスキングしてべたべたしないように対策する。2投目も同じスプールで投入することにした。
2投目、焦らないで!正面に打つ!とイメージしながらコートに立つ。
いつもの電光掲示板をめがけて「打った!」
やや右側に飛んでいるのを確認できた。
指の引っかかりも良かったのだが、残念、飛距離がぜんぜん延びていない。
「92.66m」うーん何が悪かったのだろうか・・・?
少々シンカーが回ったようだ。
いつもの事をいつもどおりにスムーズに行うことの難しさ、
出来ない悔しさくそーっ上手くいかない。

2投目の結果
昨年準優勝の草野選手が99.93m、続いて日置選手が99.76m、3番目に備後の林選手が99.62m。なんと!2投目はシマノ勢がトップを連ねる形成となった。これからの試合運びが面白くなってきたのだが、その混戦に参加できていない自分が悔しかった。一方、2投目ファールは13名約29%がファール、2連続ファールは8名。ガラス窓に自分を映し鏡にして素振りでフォームチェックを繰り返した。あと2投あるので、なんとか立て直したい、そう願うのみだった。

3投目

スプールをここで交換して気分を切り替えよう。
「焦らずにじっくり踏ん張っていこう」
「力まずに、一気にはじくように」
イメージしながらコートに立つ。
今度飛ばないとおいらにチャンスは無い、次こそは上手く飛んでほしい、そう願いを込めての3投目だった。

タイミングは良かったようだが、力みが入ったせいだろう、ややひっかけ気味のキャスティングになってしまった。
指から離れたラインをたどると、コート左側に飛んでいる。
落ちたところは、左側ラインの際だった、ぎりぎりセーフ!。
まあまあの飛距離が望めそうだ。

3投目の飛距離は99.35m
備後の林選手の99.40mに次いでの2位「49点」をもらった。
49点をいただいたことで、なんとか4投目の最後の勝負に参加することができるようになった。

3投目を終了しての暫定結果は、
暫定1位-98点備後の林選手、暫定2位-田頭選手95点、暫定3位-十倉選手93点、暫定4位-小西選手91点。
3投目ファールは15名33%、
残念ながら3連続ファールは4名、結果を残せず本当にお疲れ様でした。

4投目

今現在、私は49点を持っている、最後の一投で高得点を獲れれば・・・可能性はまだある。
そこに望みをかけてラスト一発がんばろう!
そう思うと急に気合いが入った!良い感じにアドレナリンがドロドロと沸き出している(笑)
去年は101を飛ばしたんだ、あのキャスティングが出来れば何とかなるかもしれない。

良いイメージを持ちながら、最後の一投!
精神集中させて、コートに一歩踏み入れる。
「スタート」の合図

膝を柔らかくして構える
肩の力を抜いてフリコ
左足を踏み込んだと同時に
一気に、スイング!!

指の引っ掛かり良く、ド真中の方向に
ビュ~ュ~ッ
その直後「バチッ」
あれ~っ、あいたたっ
・・・これはバッククラッシュだ(涙)
ライントラブルすると飛距離は望めない。
私のエコパはここで、呆気なく終了した。
飛距離は82.29mだった。

4投目結果
トップは小西選手101.53m、つづいて高濱選手101.19m、十倉選手100.04m
最後の勝負で3人が100mを越える好成績だった。
一方、4投目ファールは41名のうち17名41%がファールだった。
やはり、勝負をかけた最後の一投には“力”が入るものだ。
私のライントラブルもファールみたいなものだ。

結果

優勝は、1投目49ポイント、4投目50ポイント、合計99ポイントで、小西選手(最大飛距離-101.53m)
準優勝は、1投目50ポイントで連覇を予測させられましたが、4投目48ポイントで合計98ポイントで、十倉選手(最大飛距離-101.58m)
第3位は、2投目48ポイント、3投目50ポイント、合計98ポイント(最大飛距離-99.83m)暫定1位だった林選手。林選手はラスト1投で飛距離を延したのですが、惜しくも追撃をかわすことが出来ませんでした。

反省

今回は最後のシマノ主催によるエコパ大会でした。
昨年は初参加で3位という好成績だったので、今年もやるぞ!と、
そして、teamSESSYAとしても表彰台を目指して気合も入っていた・・・のだが。
今回の反省点は、
まず、「練習不足」1投目からファールを出してしまった。
4投をファールを出さずに安定して投げるには、練習の積み重ねが大きいと考える。
天候の悪さとか、もろもろを言い訳に練習をサボってしまった、
継続したトレーニングで身体にフォームを覚え込ませ、緊張した場面でも安定したスウィングが出来ることが必要である。
今回の上位の入賞者はファール無く、4投ともに安定した記録である。

次に、「スウィングプレーンのくずれ」
帰りの新幹線で投乃助さんのビデオを見せてもらうと、アドレス時に竿先が上がっていて、左手も下がり気味だった。
このためスウィングプレーンが大きく崩れていた。
強風の時に練習することが多かったことや、
防波堤のコンクリートに、竿先をこすらないように投げていたことなどから
気付かないうちに悪い癖がついてしまったようだ、ビデオによるフォームチェックは重要だと再認識した。

3つ目に、リールの機種変更によるライントラブルだ。
4投目のトラブルはライン操作が不慣れなために起因したトラブルだった。
これは、テクMGが、スプールが悪いわけではなく、私の使いこなし方が悪かったのだ。
これからも、テクMGを使っていきたいと思っている。
キャスティングに使用するタックルは飛距離重視の設計であり、
スプールにおいても高テーパーで低エッジに加工したスプールを使用している。
スプールへのライン巻き取りは慎重に行わないとトラブルを招く、
特にテーパーラインの結び目付近の巻き取り処理を上手くやってくことが必要だった。
防波堤での練習では傷ついてもいいように古いリールで練習していた、
試合用のスプールを使って練習し慣れておくべきだった。

今後、この18グラムラバーキャスティング競技はシマノ主催ではなくなりますが、
LWSCT(ライトウエイト・スポーツキャスティング・トーナメント)という自主運営の組織として
全国規模で展開され存続されていきます。
これからも、キャスティング競技の益々の発展と普及をお祈り致します。

皆様からのたくさんの応援、誠にありがとうございました。