2008ダイワSBC投げ全国決勝大会

  • 日時:2008年10月12日(日)
  • 場所:長崎県・千々石海岸
  • 主催:株式会社 ダイワ
  • 成績:準優勝

大会の模様

今年のバトルカップ全国大会は、10月12日(日)長崎県雲仙市千々石(ちぢわ)海岸で行われた。2007前回大会に優勝した私は、シード選手ということで2008全国決勝に参戦することができた。昨年の千々石はあいにくの天候不良で中止となったが、今年は絶好の晴天。各地区予選そしてブロック大会を勝ち抜いた選手28名がここに集まりラストステージを迎えた

千々石海岸

千々石海岸は両サイドを山に挟まれた湾奥にある砂浜。約2キロの海岸線は長崎県内では最も長い海岸ということもあり、夏は海水浴で賑わう。近くには小浜温泉や雲仙普賢岳があることから、火山地帯であることが分かる。海岸の砂は湘南のように灰色ぽい色で、ゴロタ石が浜や海底のあちらこちらにあり変化が見られる海岸である。

前日下見

前日下見は、ご近所のむらさきさんとパーマン2号さんが一緒であった。たしか、昨年も同じメンバーで下見した記憶が・・・朝7時頃から開始。試合会場の範囲がわからないため、とりあえず海岸の端からはじめることにした。移動しつつ反対側の端までを探ることに。千々石は根掛かりする所が点々とあるので、海底の状況もこの下見で出来るだけ把握したい。そして、最大の目的である大型キスの居場所が掴みたかった。

私は今回の決勝に臨んで「九州のデカキス釣りで負ける訳にはいきません」と宣告した。決勝がある10月の時期には落ちキスの盛期であろうと予測し、大型キス釣りの決勝大会をイメージしていたからだった。しかし、実際の下見の状況は厳しいもので釣れてくるキスは、波口のピンギスばかり。期待していた大型落ちキスは難しそうな雰囲気であった。今回のピンしかいない状況では、デカキス釣りへの戦略がたてられない・・・どうするかー??

前夜祭

大会前夜、選手達は「ウェルハートピア雲仙小浜ホテル」に集合し、そこで、ルール説明と前夜祭が行われた。フィールドテスター石亀氏からルール説明があり、現場となる海岸の様子や大会エリアの説明がされた。

前夜祭のテーブルには、明日使用するキャップと名前入りのベスト、全国出場記念の盾が準備してあった。決戦に着用する鎧兜でもあるそれらを手に取ると、身が引き締まる思いがした。宴会と同時に決勝戦でのエリア分けとスタート順を決めるための抽選が行われた。選手は順番に箱の中のワッペンを取り出し、裏に書かれた数字でそれが決まる要領だ。シード選手の私は一番最後に抽選を行った。箱から取り出したワッペン番号は「10番」。Aパート14名の中で10番目のスタートということだから決して良い番号ではなかった。

宴会では当然のごとく、釣りの会話と酒が弾んだ。余談だが、私は一ヶ月ほど前に帯状疱疹(タズ)という、病気にかかり、やっと最近、完治したばかりで、大好きなアルコールを控えている期間だったため、前夜祭では勧められるお酒を断ることが辛かったです・・・

1回戦

今回のタックルは、ダイワコンペⅡ31-405、NEW-Z45に1.0号PEを巻き、ウッドシンカーに拙者オリジナル夜光仕掛け5号MIXを10本針でセット。ピンキス拾いならば5号針は大きい、しかし、朝のデカキス狙いだから5号にした。

1投目、1色で良いアタリが入る、昨日下見したキスよりはるかにデカイアタリだった。もしや外道では??疑いつつ我慢して追い喰い・・・ピン交じりで良型が2~3匹付いていた。最初の場所が大正解だったことにラッキーと小躍りしたい気分だった。拙者オリジナル夜光MIX仕掛けのグリーンとピンクが効果あるようだったので仕掛けを、グリーンとピンク(5号)を使い分けながら釣果を伸ばした。ポイントが川の近くのため外道が多く、良型キスのアタリに似ているコトヒキが4点・5点と連で掛かり、惑わしい外道に邪魔をされることが多かった。

途中、潮の流れが大きくなり、共に川の流れもやや変化し食いが渋くなる状況があった。隣の「高橋明男選手」はそういった渋い状況の中でも、ぽつぽつと釣り上げていた。さすがだ!その時々の状況に反応し確実に釣っている。1ラウンドは最初のポイントが好調だったため、移動することなく最後まで釣りきったた。釣果は1409g44匹でAパート首位。隣の高橋明男選手が2番手で共にファイナルステージへと進むことが出来た。

決勝戦

決勝戦は10:40から2時間勝負(同時に他の選手はシード権争奪戦を行う)。1回戦で使っていない約200m程度の範囲を4人で戦う。そのエリアの海の状況は、波口5m位から1.5色ぐらいまで石ころが帯状にゴロゴロと転がっていた。普通にサビクと錘ががっちり根掛かりしてしまう。

決勝スタート。順番にエリアに移動。それぞれがラストステージとなる場所を決める。まずダイワフィールドテスター高橋明彦選手がクーラを置いた。その横にシマノジャパンカップ2006チャンピオン高橋明男選手が。そして続いて私が、最後に本間選手がクーラーを置いた。私の選んだ場所は、根掛かりを避けるために石ころが少ないところを選んだ。

決勝エリアは4人で約200mという広々としている範囲なのに、この形は何だ?なぜか50mほどの範囲に4人が納まってしまう陣形となった。お互いの釣りを牽制し合いながら勝負する体制なのか!全体の状況を掴みやすいのは確かである。私も、それぞれがどんな釣りをするのか興味があるので、狭い範囲に集まるのは都合が良い。そうはいっても、プレッシャーもある・・・・両サイドの名手達に遅れを取らないようしなければいけないと緊張するのは当然のこと。仕掛けは、ウッドシンカーに拙者競技仕掛夜光ピンク5号で10本針をセットする。私は、この競技仕掛けをするする仕掛け巻きに巻き直している。こうすることで、仕掛け交換に要する時間ロスを少なくできるからだ。

決勝戦開始、1投目は3色に投入しチカラ糸までを丁寧に探った。1色にピン、チカラ糸でピンと中キスが混ざり、波口にキスが集まっていることを把握する。2投目からは、ピンキスに絞って数釣りを行うために仕掛チェンジ、拙者競技仕掛夜光ピンク3号の10本に交換した。秋田狐3号で22センチ間隔のこの仕掛けは、狭い範囲に集まっている小キスを効率良く掛けることができる。近投し1色以下を丁寧に探りピン拾いに徹した。30分経過した頃、仕掛け交換やら、外道やらで、時間ロスをとってしまい、やや遅れを取ったかなという感じだったが、あせらずにじっくりサビく、時々3色あたりを探ってみたりして、大きなキスが入っていないかもチェックした。

この時々チェックを行ったことが良かったようで、1.5色でいい当たりが入る。じっくり追い食いさせて、良型4点を含む6点掛けが入った。「見ぃーつけた!」うきうき興奮状態であったが、カメラマンやギャラリーがいっぱい集まってくるので冷静な表情を保つのに一苦労。仕掛けをちょっと大きい3.5号の夜光グリーンに交換し、同じポイントに打ち返す。しかし、毎回良型は掛かからない。しかも、ポイントに止めてじっくり待たないと掛からないため手返しスピードは遅くなってしまう。一方、隣では高橋明彦選手が横に歩きながらサビいて波口のピンキスを多点で掛けていた。魚にアピールする夜光仕掛けは、キス以外の魚にも反応するようで、「スギ」「鰆」「ふぐ」と外道が掛かり、予定外の仕掛け交換が必要となり、時間をロスしてしまう始末・・・その後もペースを乱さないよう心掛けて良型狙いを続け、ポツリポツリと良型キスを掛けた。

そして、あっという間の2時間が終了した。自分なりに、良型を掛けることができたので、効率の良い重量稼ぎが出来たのではないかと検量が楽しみだった。しかし、私の検量結果は58匹・833グラム、高橋明彦選手は、2時間でなんと100匹897グラムものキスを掛けていた!それもあの状況で、すごいというしかない。64グラムの差で負けてしまった。私が同様にピンキスを狙っていたとしても、私の実力では100匹にはおよばない。今回、私が型狙いを選択したことは、私の実力をふまえると妥当な選択だったが、良型を手にし効率の良い戦術を選んだがゆえに、終盤に油断し気がゆるんだことが敗因だと考える。

沢山の応援ありがとうございました。

タックル

ロッド:サンダウナーコンペⅡ31-405
リール:トーナメントサーフZ45Ⅱ
ライン:PE1号
シンカー:トップガン30号、拙者ウッドシンカーM型30号+L型
エサ:チロリ、ジャリメ
仕掛け:拙者の投げ釣り競技モデル仕掛け3号~5号10本鈎