2004がまかつG杯九州大会

6月30日 大会1ヶ月半前
「G杯申し込みましたよ。拙者さんはどうしますか。」
「どーしようかな。」
「G杯は数人の組み合わせでトーナメント方式ですよ。」
「運にも左右されるけど、匹数勝負なので面白いですよ。」とキスハンターさん。
「参加します。申し込みお願いします。」

7月3日 大会2週間前
1週間前のシマノジャパンカップでほとんどがピンギスばかりだった。欲求肥満を解消する為、、前回大物キスが釣れた呼子の小友漁港に行った。思った通り、25cm~29cmを5匹ゲット。38cmのオキエソのおまけ付き。そのうち、アタリが無くなり、大友海岸に移動した。G杯に使用するがま投ジーシスで釣り開始。5色位しか飛ばない。キスは4色~3色にいるので問題ないけど、
「もっと遠くに飛ばせたらなー」もう夏真っ盛り。あまりの暑さに海に飛び込んだ。
「あー、生き返る。」青い空を見ながらプカプカ浮かんでいた。

7月4日 福岡天神。
4時間ぐらい愛犬と暇をつぶさないといけなくなった。「そうだ、博多埠頭に行ってみよう。」行ってみると雨の中、サビキ釣りでアジゴを釣っている人が数人いた。車の中でしばらくうとうとしていた。目を覚ますと、すでに雨は止んでいた。「さてと、キャスティング練習やるか。」車に積んでいたジーシスとテクニウムMgをセットした。錘は30号、台風の影響か追い風。第1投目、6色。さすがに追い風だと飛ぶ。第2投目、7色。第3投目、7色半。追い風とはいえ、いー感じ。でもきっと、無風だと5色から6色かな。

7月9日 大会10日前
「G杯の日は仕事が入ってしまった。参加できません。」と國さん
「えっ、マジで。残念です。」でも、強力なライバルが減った。複雑な気持ち。

7月11日 大会1週間前
1週間前だというのに、思考回路が爆発した。アジ釣りに行きたくなった。前原の箱島で遠投サビキ釣りに、20cmオーバーのアジ。とグラチェロさん情報が数日前に入っていた。午前5時箱島到着。先客2名いた。もちろん、アジ狙いのようだった。タナ取りして見ると、水深はかなり浅い。3m位。こんなに浅くて大丈夫と半信半疑だった。久しぶりのホリデイスピンHG20-390。20号の遠投浮きとサビキ仕掛けと10号錘をセット。

第1投目。予想に反してアジゴがブルブルと当たってきた。結局納竿までの3時間、最大26cmを含めアジが25匹。圧巻はバリ30cm、コノシロ28cm2匹とアジゴの一価釣り。アジ釣りに満足したところで、ようやくG杯の練習の為に弊の浜へ向かった。きっと誰かいるだろなと思い、志摩中前に入った。予想に反して誰もいない。確か國さんが野北にいるはずだ。すぐに野北に向かった。ここも誰もいなかった。タックルの準備をしていたら、國さんから電話が入った。
「拙者さん今どこですか。」
「野北ですよ。今から釣り始めるところ。」

「さっきまで野北にいたよ。」
「ピンばかりなのでリコー前に移動したところ。」
「20cmオーバーの量型が揃ってますよ。」
「今からそっちに行きます。」
リコー前に到着。
「何処から浜に出るの。」
「トトロが出そうな道があるでしょ。」
「そこを通って浜に出られます。」あったあった。確かにトトロが出そうな道。トトロの歌を口ずさみながら浜に出た。広い砂浜に國さんと友達の2人がいた。

「久しぶりです。調子どうですか。」
「今のところ、良型が来てますよ。」
「4色ぐらいの所。」
「拙者さん、近所の友達です。」
「はじめまして。」仕掛けをセットして、第1投目。3色位でブルブルと何回かアタリが来た。
「おー早速、来た来た。」浜まで引くと3連だった。15cm位のサイズ。
「さっきまでは良型が多かったのにね。」
「段々小さくなってきたね。」2投、3投と連で当たって来た。

もうじき12時、それにしても暑い。
「納竿しますね。」
「拙者さん、キススペ投げてみますか。」
「いいんですか。投げさせて下さい。」手に取ってみた。
「軽いですね。」初めて手にするキススペは細くて軽かった。ちょっと緊張した。投げてみた。自分の竿とは全く違う感じ。
「6色位飛んだかな。」
「えー、そんなに飛んでますか。」何だか不思議な竿。ますます欲しくなった。

車に戻った。
「あっ、そうだステッカーあげます。」
「ありがとうございます。書込しますね。」
「是非、よろしく。ハンドルネームを考えて下さいね。」
「パーマン2号にしようかな。」

7月17日 大会1日前
午前9時、今シーズン初めてのざうお海岸に行った。ざうおは新しい建物になり見事に変身していた。海岸の感じもずいぶん変わっていた。まるでざうおのプライベートビーチ。JCの時はトラブルを避けたい為に3本鈎だったけど、G杯は5本鈎以上で勝負する事にした。その為練習は5本鈎で行った。テクニウムMgにもだいぶん慣れて、仕掛けトラブルもなく、問題ない。2時間で12匹。

帰りに國さんに教えてもらった、噂の「鈴木商店」に行った予想通り、とってもディープな店。フジのパワースピードスベイルを購入した。冷えるバンダナ(クールバンダナ)を勧められ「結構いけるかも。」と思い、衝動買いしてしまった。その後、フィッシングKでチロリを購入した。

その日の夜。がまかつキススペシャル6号、5号で仕掛けを作った。JCの時と同様にモトス2号、ハリス2号ホンテロンを使用した。折り畳み傘を利用したクーラーの日除けも制作した。

きっと暑くなりそうなのでフィッシングベストではなく、ウエストポーチを用意した。気が付いたら20時過ぎていた。そーいえば、キスハンターさんは、今回も前日入り。どうしたかなー。

7月18日 大会当日
携帯からラピュタのテーマが流れてきて2時に起きた。2時30分に新松原目指して出発。何だか、今回の大会は気合が入ってない。何でだろう。途中のコンビニで鯖弁当の朝食を取った。
「拙者さん、今どこですか。もう受付始まってますよ。」とキスハンターさん。受付時間は4時~4時30分だった。「あと5分で到着です。」

4時10分に現地に着いた。まだ真っ暗の中、受付を行った。ゼッケンは21番。シマノJCの時に比べて、しっかりした作りのゼッケンだ。車に戻り、タックルやクーラーの準備をした。4時40分には大会本部前に全員集合。
キスハンターさんとchichiさんの姿もあった。
「おはようございます。」
まだ薄明かりの中、大会の説明が始まった。よく見たら、唐津の杉江釣具店の方が大会本部にいた。
ういえば、杉江釣具店はがまかつの特約店だった。

「参加人数は57名です。」
「1回戦はABCのブロックに分けて、各ブロック毎の総重量で競います。」
「ブロック毎の境界に旗が立っています。ブロックの移動は禁止です。」

「竿と鈎はがまかつを使って下さい。」
「鈎は最大10本までとします。」
「5時30分から8時30分までです。」
「上位8名が2回戦に進出できます。」
「2回戦は24名の総匹数で競います。」
「上位3人がG杯全国大会に出場できます。」

「それでは、ブロック分けを行いますので、くじを引いてください。」拙者はBブロックの6番だった。全員のブロックが決まり、ブロック毎に整列した。キスハンターさんはCブロック。chichiさんは拙者と同じBブロック。投好会の小谷さんもBブロック。
「ゼッケン**番の○○さんブロックの申告してないよ。」と大会本部さん。
「長崎からはるばる参加して棄権になるよ。」と冷やかしの声。その方もBブロックだった。長崎、○○さん、もしかしてyama-junさんかな。

5時10分。ブロックごとに、クーラーチェックを行い、釣り場に移動した。そして、Bブロックのエリヤに到着した.小谷さんが皆を整列させた。番号順に好きな場所に移動。拙者は6番目だった。シマノJCと比べてエリヤが狭い。当然、隣との間隔が狭い。いやーな感じ。拙者の右隣に小谷さんがやって来た。マジでー。プレッシャー200%。邪魔しないようにしないと。

「そうだ、とりあえず両隣にはお近づきの挨拶しなきゃ。」
「おはようございます。よろしくお願いします。」
「シマノJCでもご一緒させて頂きました。」と小谷さんに挨拶した。
「2回戦には行ったね?」
「行きました。」
「あ、そう。よろしくね。」

小谷さんの右隣には先ほどの方。たぶんyama-junさん。chichiさんは拙者よりも50m位左側に入った。仕掛けをセットした。とりあえず、最初は5本鈎。昨日買った、パワースピードスベイルを結んだ。開始まで後5分。しばし一服。
「ピーッ。大会開始の笛が鳴った。」みんな早い。笛と同時に投げている。30秒出遅れた。

第1投目。飛距離4色。小谷さんの方を見たら、あれれ、チョイ投げ。もしかして、皆チョイ投げ。
おやー。どう見ても皆チョイ投げだー。ショック。今まで遠投ばっかり練習してきたのに。気を取り直して、さびいた。2色に入ったらようやくブルブルとキスのアタリ。3連が来た。

幸先よいスタートだった。2投目は4連。平均15cmくらいのキス。
「こうなったら、7本鈎で行こう。」
鈎を2本追加した。3投目も4連。調子良すぎ。小谷さんは。あれれ、あんまり釣ってない。何で。10m位しか離れていないのに。その後も連が続いた。小谷さんが拙者の方を気にして見ている。おーっと、小谷さんがこっちに来る。なんだー。やばい事したっけ。邪魔した覚えないですよー。

「あんた上手やね。」
「誰かに習った。それとも自己流。」と小谷さん。おっと、予想外の展開だ。
「とんでもない。たまたまです。」「皆に教えてもらってます。」と何だか訳分からない返事をしてしまった。えー、拙者が上手だなんて。それも小谷さんが認めてくれた。

1時間経過。拙者は1投目からずっと釣れ続いていた。小谷さんは遂に、場所移動。chichiさんがいる所に向かったようだった。実は、これが運命の分かれ道になってしまった。その後30分間は、連が少なくなってきた。そして、遂にアタリが遠ざかってしまった。yama-junさんと思われる方が拙者の左隣に来た。
「こんにちは。もしかして、yama-junさんですか。」

「・・・・」
「拙者の投げ釣りの拙者です。」
「こんにちは。」おっと全く会話が弾まない。yama-junさんには違いないみたいだけど。声を掛けるタイミングを間違ったようだ。すみませーん。大反省。

そして完全にアタリが無くなった。遠投しても全くダメ。さっきまでのアタリが嘘のようだ。chichiさんの辺りは、なんだか混み合っている。相変わらず、釣れているようだった。混み合っている所に入って釣る度胸ないし。きっとそのうち、キスの群れが戻ってくる事を信じて場所移動はしなかった。

残り40分位になった。左側にいるyama-junさんはchichiさん方向にチョイ投げして斜めにサビいていた。1色から力糸の範囲で5連4連を連発している。でもコンスタントではないようだ。「群れが小さいね。」とyama-junさん。
アタリがあるだけましだった。拙者の所は1匹2匹程度。それも散発的。10m位しか離れていないのに。なんでだろ。あと30分しかないぞ。諦めないぞ。ここで粘るぞ。

残り20分。
1色未満でブルブルと何回もアタリが来た。やっと連で来たぞ。3連、4連。こうなったら、時間との勝負。焦って、餌付けが思うようにできない。
「落ち着け」今度は5連。何でもっと早く群れが来ないんだ。キスちゃん頼むよ。

「ピーッ。」
試合終了のホイッスルが鳴った。ちょうど餌を付けているところだった。見るとまだ、サビいている人がいた。こそーっと最後の一投。やった、最後は3連だ。
「あー疲れた。」
Cブロックの方々が、東の方から歩いてきた。
「拙者さん、どうでした。」とキスハンターさん。
「だいぶ釣れたけど、どうかな。」
「私は、だめでした。きっとだめ。」
キスハンターさんは1人で本部の方へ行ってしまった。タックルの片付けしてたら、飛幡サーフの大石会長が通りがかった。

「どげんやった。疲れたね。」
「疲れました。」
「これ。食べんね。」
お菓子をくれた。本部までの砂浜を大石会長と歩いた。
本部に着いたら、既に検量が始まっていた。自分で魚に着いた砂を落として、ビニール袋に入れた。シマノJCに比べたら、釣ったキスは圧倒的に多い。でもよく見たら、同じBブロックの人達はみんな大漁だった。

「まずい。みんなすごい釣っている。」chichiさんがいた。拙者の2倍は釣っていた。
「chichiさん、すごい釣果ですね。」
「・・・・。どうかな。」検量の結果、拙者は1166g。63匹。chichiさんは2152g。Bブロックの結果が出た。そして2回戦進出者8名が発表された。

chichiさんも小谷さんも2回戦進出した。小谷さんは移動作戦が成功だったようだ。拙者とyama-junさんは敗退。結局拙者はBブロック19人中、10位だった。yama-junさんは拙者よりも釣れているように見えたけど、最初の方の釣果が悪かったようだった。
「yama-junさん残念でしたね。」
「chichiさんの近くで釣ってたんだけど。
混んできたので逃げたのが敗因かな。」

chichiさんがいた。
「chichiさん、途中からみんな集まってきたでしょう。」
「そうなんですよ。どんどん増えてきて、大変だった。」
「最初はチロリで釣ってたけど、アタリが少なくなり、岩デコに変えたら食いが急に良くなった。」そうか岩デコか。拙者はズーッとチロリで釣っていた。

前回のシマノJCの時はチロリが圧倒的に有利だった。今回のG杯は岩デコまたはスムシが良かったみたいだった。そう言えばキスハンターさんがいない。いたいた。
「キスハンターさん、どうですか。」
「Bブロックはみんなすごい釣果ですね。」
「Cブロックはあまり釣れなかったですよ。」
結局キスハンターさんも1回戦敗退となってしまった。同じくCブロックの大石会長も1回戦敗退だった。
「Aブロックが一番釣れなかったみたいですね。」とキスハンターさん。

結果表を見てビックリした。確かに釣果が違いすぎる。Aブロックでは400gでも1回戦突破していた。
「chichiさん、2回戦がんばって下さい。」と拙者。
「はーい。がんばります。」そして、1回戦突破した24名が2回戦の場所へ移動し始めた。2回戦は10時~12時までの2時間で匹数勝負。

よく見ると1回戦敗退した人はゼッケンを返していた。「あれ、もらえないんだ。記念に、写真撮ってもらおう。」本部にいた杉江釣具店の方に頼んで写真を撮ってもらった。
「すみません。杉江釣具店の方ですよね。」
「そーですよ。」
「先日お店に伺って、小友漁港の事を教えてもらった者です。」
「あー、あの時の方。」
「小友漁港は最高でしたよ。最大29cmが釣れました。」
「良かったですね。」
「あのー、写真撮ってもらえませんか。」
「いいですよ。」ゼッケンを返したら、参加賞のステッカーとタオルをもらった。

キスハンターさんの車に行った。
「拙者さん、これからどうしますか。」とキスハンターさん
「どっかで釣りますか。」

「川の西側で釣りしましょう。」拙者は腹が減ってきて、クーラーに入れていたソーメンを食べ始めた。
「先に行ってますよ。」とキスハンターさんと大石会長が先に行ってしまった。

あまりの暑さに、拙者は車で釣り場に移動した。すでにキスハンターさんも大石会長も釣り始めていた。大会会場は広い砂浜だけど、ここはテトラポットがあり、釣りにくそう。
「2色から3色くらいでアタリがあるよ。」とキスハンターさん。早速タックルをセットした。チョイ投げして、テトラポットに上がり、サビいた。

すぐにブルブルとアタリがあり、4連が来た。2投目、3投目も連で来た。
「拙者さん、2回戦やってるみたいですね。」
「そーですね。こっちは裏の2回戦ですね。」
「ダイワの大会の時も2回戦はここでやってたりして。」
「キスハンターさん、洒落になってないかも。」
「1回戦よりも釣れるから、余計にむなしいですね。」
「釣れすぎると捌くの大変なので、鈎減らしてます。」
「拙者は7本鈎で行ってますよ。」
バチッと音がした。

「うわー。」見るとキスハンターさんの力糸が切れていた。「やーめた。」

 11時30分。後30分で2回戦が終了する。キスハンターさんは、タックルを片づけて、戻って行った。拙者もタックルを片づけた。裏2回戦の拙者の釣果は32匹だった。あまりの暑さに、恒例の海水浴。

しばらく海の上にプカプカ浮いてリラックスタイム。
「あーあっ、1回戦敗退か。

大会本部に戻った.ちょうど2回戦のみんなが帰ってくるところだった。さすがにこの暑さの中、みんなバテバテの顔。検量が始まった。見ると、たった2時間とは思えない釣果。すごすぎる。100匹以上が何人かいた。chichiさんは81匹だった。
「何本鈎ですか。」
「10本鈎です。」
「10本ですか。すごいですね。投げた事ないですよ。」

「最後に3投できていたら、良い線行ってたのに残念です。」
シマノJCで優勝した北浦さんの検量が一番最後だった。半端じゃない数のキス。数える杉江釣具店の方もあきれ顔。釣果は147匹。
たった2時間で、よくもこれだけ釣れたもんだ。平均6連で釣ったとして、147匹÷6連=24.5投2時間で約25投と言う事は、120分÷25投=約5分。つまり、5分に1回のペースで6連を釣り続けたと言う計算。すげー。人間業じゃない。マシーンだー。

最終結果が出た。優勝は北浦さん147匹。準優勝は市野さん137匹。3位瀬戸さん122匹みんな化けもんです。結局chichiさんは11位だった。暑い中、休み無くお疲れ様でした。

「chichiさん、お疲れ様でした。」
「キスハンターさん、お疲れ様でした。」
「来週は拙者杯キス釣り大会でお会いしましょう。「それではまた。」

<あとがき>
拙者のトーナメントドキュメンタリーに登場していただいた皆様、皆様に許可無く、勝手に書かせていただきました。できるだけフィクション無しで書きましたが、
「えー、そんな事言った覚えないな。」

「私はそんなキャラじゃない。」という方もいらっしゃるかもしれません。
もしくは、「なんで、私が登場しないの。」という方もいらっしゃるかもしれません。何卒お許しを。

次回はダイワのスーパーバトルカップ。がんばります。